オヤジ

2005年1月15日
母親と離婚してから3年たった。
俺も徐々に母親の居ない生活へも適用できてきた。

親父は毎日遅くまで仕事だ。
俺は学校から帰ると一人夕食を作って食べる。
親父の分も一応作っておく。食べたか捨てたかしらないけれど。

久々に親父が早めに帰ってきた。

「今日は俺が夕食をつくってやるよ」

親父は上機嫌に俺に言った。

その上機嫌がむかついた。

「アンタ、親なんだから息子にご飯作るくらい当たり前だろ、どうせラーメンしか作れないくせに、調子こいたこといってんじゃねぇ」

理由のないイライラに俺は胸糞が悪くなった。

「どうせ自分のことしか考えてないんだろ、いい加減にしろよ。自分の分だけ作ってればいいじゃねぇかよ、ふざけんじゃねぇ!」
むかついたから思いっきりいってやった。

親父は少し悲しそうだった。

俺は気にも留めず、家を出た。暗い道、多分8時くらい。
思ったより外は寒い。
息が白かった。

30分くらいして、俺は家へ戻った。

家へ帰ったら親父が倒れていた。

病院で親父は息を引き取った。

医者は過労とかいってた。

特に悲しみも沸いてこない俺に、親父の上司だという人が話しかけてきた。

「君のお父さん、君においしいご飯を食べてもらおうと、毎日料理教室へ通ってたんだよ。今日はようやく会社と料理教室が都合よくあいたから、息子においしいご飯を食べさせてやるって張り切って家へ帰ったのに、とても残念だよ」

・・・・・・・。

家に帰ったら、親父の作った飯がおいてあった。

冷たかった。

がむしゃらに俺は飯を食べた。

突然涙がこぼれてきた。

冷え切ったご飯、うまくなかった。

けれど、そこには確かに愛情があった。

「ごちそうさま、うまかったよ。親父。」

どこかで親父が笑った気がした。

まだ、涙はとまらなかった。

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